Research topics

本研究室では,現在は主に以下の2つの研究テーマに取り組んでいます.

 


(研究テーマ1)

生命や自然の振る舞いにヒントを得て解を求める最適化手法

  • 計算量が非常に多い問題として,解の列挙が必要な最適化問題があります.この最適化問題については,様々なアルゴリズムが提案されていますが,本研究室では,問題を生態系や自然現象の環境として定式化し,生命や自然の振る舞いにヒントを得て解を求める最適化手法について研究を行なっています.生命や自然の振る舞いにヒントを得て解を求める最適化手法としては,以下のような手法が知られています.
    • 遺伝的アルゴリズム(GA)
    • 焼きなまし法(SA)
    • 粒子群最適化(PSO)
    • 蟻群最適化(ACO)
    • 蜂群最適化(BCO)

例えば,蜂群最適化では,ミツバチが蜜収集を行う際の習慣を基に,以下のような動作のアルゴリズムが提案されています.

Step 1: 蜂が各々の経路で探索を行い暫定解を求める
Step 2:評価値をもって巣に帰る
Step  3: 蜂同士で評価値を比較し自身の暫定解を維持するか放棄するかを決める (ミツバチのダンスであるWaggle dance)
Step  4: 解を放棄した蜂は他の蜂の解(経路)を選ぶ

(Waggle dance)

本研究室では,この蜂群最適化を始めとして,生命や自然の振る舞いにヒントを得て解を求める最適化手法に関して,効率のよいアルゴリズムに関する研究を行っています.


(研究テーマ2)

ナチュラルコンピューティングに関するアルゴリズム

現在のシリコンベースのCPUは, 物理的制約のため, 高速化の限界に近づきつつあります.そのため,この限界を打破するための新しい計算パラダイムに関する議論が盛んに行われていますが, その1つとして, 生体系に代表されるような自然界のシステムを計算に用いるナチュラルコンピューティングが現在注目を集めています.このナチュラルコンピューティングは,自然界の持つ自律的な処理の仕組みを用いて並列分散処理を行うという計算方式です.

例えば,生体系のシステムに基づくナチュラルコンピューティングでは,細胞等の各資源の活動を計算と考え,細胞間の情報伝達経路をネットワークと考えることにより,生体系を1つの自律並列分散処理システムと考えます.このシステムを統合的に制御し,計算に利用することがナチュラルコンピューティングの目的です.

本研究室では, このナチュラルコンピューティングに関して,細胞の活動をモデルとする膜計算や,DNAの性質を用いて計算を行うDNA計算について,算術演算や論理演算等の基本的な演算を行うアルゴリズムの提案を行っています.

ナチュラルコンピューティングの例として,以下に細胞の活動をモデルとする膜計算について簡単に説明します.膜計算とは,生物の細胞の活動をモデル化して計算に用います.例えば,下図の左は植物細胞の概略図ですが,一番外側の細胞膜には核や液胞といった膜が含まれており,また,各膜は独立した生命活動を行うミトコンドリアや葉緑体といった要素を含んでいます.


膜計算では,このような細胞の持つ,
(a) 1つの細胞はいくつかの膜の階層構造により構成される
(b) 各膜内の要素は,独立した生命活動を行う
という2つの特徴を利用して,計算を行っていきます.

本研究室では,この膜計算に代表されるようなナチュラルコンピューティングに関して,効率のよいアルゴリズムに関する研究を行っています.